「スーパーフレア」太陽で可能性 京大解析、通説覆す
というニュースが流れていました。
構成である太陽が「スーパーフレア」を起こせば地球は滅びるとか・・・
いろいろ関連ニュースが載っていましたが、以下のニュースが詳しかったです。
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太陽に似た恒星において、多数の“スーパーフレア”が発生していることが、NASAの衛星の観測データから明らかになった。観測データの示すところでは、このような大規模な爆発現象を引き起こす要因は依然として謎だという。
太陽においては、太陽フレアが地球の方向へ放たれると、膨大なエネルギーが地球に降り注ぐ。フレアが強力な場合には、太陽嵐が発生し、人工衛星が故障したり、電力網に被害がおよぶ可能性もある。
一方で、多くの恒星が、太陽フレアと似ているが、それよりはるかに強力なフレアを放出していることも明らかになっている。これらスーパーフレアのエネル ギーは、平均的な太陽フレアの数百万倍~数十億倍にまで達する可能性があり、近傍の惑星を焼き焦がすのに十分な威力を備えている。
可能性は低いが、例えばスーパーフレアが地球を襲った場合、地球を保護しているオゾン層はたちまち消滅するだろうと、ルイジアナ州立大学の天体物理学者ブラッド・シェーファー(Brad Schaefer)氏は話す。同氏は今回の研究には参加していない。
大気のオゾン層がなくなると、太陽からの有害な紫外線が地球に大量に降り注ぎ、あらゆる生物は黒焦げになってしまう。「地球のオゾン層が消滅すれば、われわれは一瞬にして太陽に焼かれる」とシェーファー氏は述べている。
今回の研究では、太陽に似た恒星で発生しているスーパーフレアの詳細な確認に初めて成功した。スーパーフレアはこれまで、ほんの数例しか確認されていなかった。
しかし今回、京都大学の前原裕之氏らの研究チームが、NASAの宇宙望遠鏡ケプラーが収集したデータを基に、太陽に似た148個の恒星で365回のスーパーフレアが発生していたことを突き止めた。
シェーファー氏らが唱えている一般的な説によると、スーパーフレアの発生には、“ホット・ジュピター”と呼ばれる、中心の恒星から非常に近い軌道上を公転する巨大なガス惑星の存在が関与しているとされる。
しかし驚いたことに、「われわれが調べた恒星の周囲には、ホット・ジュピターは1つも見つかっておらず、このことはホット・ジュピターがスーパーフレアに関与する例が少ないことを示している」と研究チームは論文の中で述べている。
◆ホット・ジュピター説に打撃
太陽フレアは、太陽の磁力線によって引き起こされると考えられている。磁力線は、目に見えないループ状のエネルギーの束で、太陽黒点と呼ばれる磁気的に活発な領域から出ている。
この磁力線が切れると、円弧状の光が発せられ、荷電粒子が太陽表面から宇宙空間へ放出される。
前述した通説によると、スーパーフレアも同様のメカニズムによって引き起こされるが、唯一異なるのは、磁力線の両端が恒星表面の2つの黒点につながっているのではなく、磁力線が恒星の表面から伸びて、近傍のホット・ジュピターにつながっていることだ。
磁力線の一方の端が別の天体につながるだけで、恒星の磁気ループは大きくなり、それが切れるときには、非常に巨大なフレアが発生するとシェーファー氏は 説明する。「これは非常に筋の通った理論だ。近くに何か他の物体がないと、それほど大きなエネルギーは得られない。(中略)したがって、このホット・ジュ ピター説は、優れたモデルとして広く支持されている」。
この説に基づき、「スーパーフレアを生じる恒星の約10%で、近くにホット・ジュピターが見つかるはずだとわれわれは予測した」とシェーファー氏は述べている。
ところが、今回の前原氏らの観測結果では、この予測は当たらなかった。「これはホット・ジュピター説にとって非常に手痛い打撃だ」とシェーファー氏は言う。
◆スーパーフレアが地球を襲う危険は?
シェーファー氏によると、今回の観測データにも、惑星とスーパーフレアを結びつける従来のモデルは当てはまるという。ただし、いくつか手直しが必要だ。
例えば、恒星から伸びた磁力線がつながる先は、ホット・ジュピターではなく、恒星に近い軌道上を公転する岩石惑星、すなわち“ホット・アース”または “ホット・スーパーアース(巨大地球型惑星)”である可能性が考えられる。「それでも筋は通る。基本の考え方は同じだ」とシェーファー氏は述べている。
ただし、岩石惑星モデルは、ホット・ジュピター説と比べて検証がやや困難だ。ケプラーは、惑星が主星の前を通過(トランジット)することで、地球から見 た恒星の明るさがわずかに低下する現象を観測している。しかし今のところ、太陽に似た恒星の近くを公転している、ホット・ジュピターより小型の岩石惑星の 存在は確認できていない。
しかし、どちらの説が正しいにせよ、地球がスーパーフレアに襲われる心配はないとシェーファー氏は述べている。太陽系で最も太陽に近い惑星である水星で さえ、太陽に十分近いとはいえず、また、スーパーフレアを起こすような磁力線をつなぎとめるほどの強い磁場も持たないためだ。
今回のスーパーフレアに関する研究成果は、5月16日付で「Nature」誌オンライン版に発表された。
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